暴言で「心の隙間」に侵入する
はらいかわてつやです。
◎争いによって満足感が得られる
ケネディはアメリカン大学の卒業式で次のように述べています。
こうした平和が存在しても、家族や国家の内部におけると同じく、依然とし
て、争いや利害の対立があるであろう。世界の平和は、地域社会の平和と同じ
く、各人が隣人を愛することを要求せず、ただ単に、彼らが互いに寛容の心を
持って共存し、その紛争を公正で平和的な解決方法にゆだねることを要求する。
(平和の戦略を求めて」1963年6月10日。アメリカン大学の卒業式で)
「たとえ平和が訪れたとしても、争いごとや対立は決してなくならない」とケネディは述べたのです。
しかし、たとえ敵対し合うような関係になってまったからといって、すぐに戦争をしてはいけません。だからこそ必要になってくるのが「平和的解決」なのだというのです。
これは国と国との関係だけでなく、人間関係においても同様です。
むかついたからと言ってすぐに、暴力をふるっていいわけがありません。話し合いで平和的に解決しなければならないのです。
そのために重要なことが、双方の本音をとことんぶつけ合うことです。
本音で話せば、相手のことがよく理解できるようになります。そして、相手の気持ちを理解できるようになれば、イライラとしていた感情はいつの間にか消えてしまっているのです。
アメリカのワシントン大学のジョン・ゴツトマン氏は、52組の夫婦を3年以上もの間、追跡調査しました。そして、たとえお互いの意見が合わずケンカをしたとしても、それは夫婦関係において決して有害なことではないという結論を得ました。
たしかに、言いたいことを言ってしまうと、その場は険悪なムードになってしまうでしょう。
しかし、長い目で見ると、自分の意見を率直に言ったほうが、お互いに満足感を高めることができるというのです。
前にも述べましたが。結婚生活に終止符を打ってしまう原因は「話し合いを一切やめてしまうこと」なのです。
◎絆を強固にするコツ
結婚生活だけでなく、
「あの人と話すことなど何もない」
「どうせあの人と話しても時間の無駄だ」
と、話し合うことすらやめてしまうと、人間関係はどうしようもなくなってしまいます。
たとえイライラすることがあったとしても、お互いが本音で話し合えば、案外多くのことが解決できてしまうのです。
「私はあなたのことをあまり良く思っていない。あなたもそうなのではないですか。そこで、お互いの嫌なところを言い合ってみませんか」
こんな切り出し方で話し合ってみてはいかがでしょうか。
時間制限を設けたり、そのとき限りという条件をつけて、お互いに言いたいことを言い合えば、気持ちがスッキリしますよ。
お腹に言いたいことをため込んでいても良好な人間関係を築くことはできません。言いたいことはなるだけ吐き出したほうがいいのです。
相手の本音を引き出すこともそうですが、自分自身も相手に言いたいことを言えるようにしましょう。
「これから言うことで、あなたは気を悪くしてしまうかもしれませんが、言わなければ私はあなたを嫌いになってしまうので率直に言います」
このように正直に話すことで、相手も態度を見直してくれるかもしれません。また、正直に話してくれたことに対しては、相手もあまり気分を害しないものです。
はらいかわてつや