褒め言葉を真に受けてはならない
日本には謙遜することを美徳とする考えがある。
そのため、どんな場面でも謙遜しておくことが大事である。
特に、人から褒められたときなどは、遜って謙遜したほうが賢明だ。
どんなに褒められたとしても「私なんてまだまだです」と答えたほうが、よい人間だという印象を与えることができる。
六代目菊五郎の辞世で「まだ足らぬ。踊り踊りてあの世まで」というものがある。
このように、「自分はまだまだで、まだ努力が必要なのだ」という気持ちが大切なのだ。
有吉さんは再ブレイクの後も、絶対に天狗にならないように努めているそうだ。
理不尽に世間からたたかれないためであろう。
「僕自身は、″再ブレイク″という言葉は使わないようにしてるんですよね。そこで自
分で使っちゃうと″ちよっと売れたと思って調子に乗ってるんじゃね―よ!″とか叩
かれちゃうんで、自分からは絶対に″再ブレイク〃なんて言わないようにしてます」
「EX大衆」2010年7月号、56ベージ)
では、人から褒められた際、どのように対応するのがよいだろうか。
それは、自分の手柄や功績をそのまま人に譲ってしまうのがよい。
仕事であれば、「みんなの助けがあったから」とか「上司のサポートのおかげ」と、手柄を人に譲るのだ。
カリフオルニア州立大学のジェームズ・ジョーダン氏は、エンジニアを対象にした調査によって、人から手柄を譲ってもらえることは、とてもうれしいことあであるということを調べた。
逆に、自分の手柄を人に奪われることをとても憎たらしいことだということも指摘している。
人に褒められたときというのは、ついつい胸を張ってしまいがちだが、その気持ちを抑え、手柄は先輩や上司、後輩や部下にそっくり譲ってあげよう。
「頭がいいですね。」と褒められれば、「先生の教え方が良かったからです」と、「イケメンですね」と言われれば「親に感謝です」ときり返そう。
決して手柄を独り占めしてはならない。
どんな手柄でも、気持ちよく人に譲ろう。
このことを肝に銘じておけば、敵なんて周りからいなくなる。
あなたの成功は、周りの人のおかげだと考えよう。