会話は「ビジネス」だと捉えよ
仕事関係の飲み会や接待は、もともととてもつまらないものだ。
なぜならそれは、あくまで仕事の一部であるからだ。
だからはなから楽しもうなんて思わないほうがよい。
せっかくお酒を飲むのだから、自分も楽しもうなんて意気込むと、実際とのギャップに絶望してしまう。
最初から楽しもうなんて思わずに、初めからつまらないものだと考えていたほうが、諦めもつくし、仕事の一環だと割り切ることで愛想も振りまくことができる。
仕事がらみのお酒の席というものは、友達との飲み会や合コンとはまったく違うのである。
そこをしっかりと理解しよう。
退屈な話を聞く仕事なのだと割り切ることが肝心。
ホステスの仕事と同じなのである。
有吉さんは、女性と付き合うのがあまり好きではないようであるが、付き合わなければならないときには、「仕事」と同じように割りきって付き合っているようだ。
「女はつまんない話をするものだ」と決め込むことです。
「女が言っている事は100%つまんないことなんだ」とわかったうえで、女の話にリアクションするということです。(「毒舌訳 哲学者の言葉」双葉社、28ページ)
この考え方は、嫌いな人との付き合いにも応用できる。
「あの人と話してもどうせつまらないだろう」
「楽しめるわけがない」
このような覚悟をもって臨めば、実際に詰まらなかったとしても我慢することができる。
心のどこかで期待しているからがっかりするのである。
大切なのは、前もって覚悟すること。
覚悟を決めていれば、人間は耐えることができるのだ。
アメリカのデューク大学のアンドリュー・カートン氏は、実験参加者に更正作業を行わせた。
その際、あるグループには「作業中に監督者によって邪魔されます」と告げ、もう一つのグループには何も告げなかった。
すると前もって通告されていたグループは、どんなに邪魔されようがほとんど気にせず集中できたという。
事前通告され、覚悟ができていれば、私たちは大きなストレスを感じずに済むのである。
他人と話すということは、そんなにおもしろいものではないと初めから思っていれば、人との退屈な会話も全然気にならなくなる。
それは初めからわかりきっていることなのだから。
このような思考トレーニングをすることで、人間関係は今よりもずっと楽なものになるだろう。
はなから「つまらない」と思っていれば耐えられるだろう。