「自分は人気者」などと勘違いしてはダメ
はらいかわてつやです。
人から人気がある人というのは、たいてい謙虚な人である。
「私って人気者なの」などと言って回る人は、たいてい人気なんてない。
人気者はいたって謙虚な姿勢であるし、自分の人気をひけらかしたりなど決してしない。
もし、あなたが自分に人気があると感じても、決して勘違いなどしてはならない。
たまたま仕事上で必要だからあなたに言いよって来ているだけかもしれないし、心の底では全く好きでもなんでもない、といったことが多々あるからだ。
嫌なヤツだなと思われると、だんだん使われなくなっていきます。まだ人気あるうちはいいんですよ、向こうも必要なんで.。仕方なく使ってもらえるんですけど、いったん人気がなくなると転げ落ちます。
(「お前なんかもう死んでいる』双葉文庫、28ベージ)
大きな会社の部長が部下からチヤホヤされているとしよう。
その部長は、自分に人気があるのだと勘違いをするかもしれない。
しかし、そんな人ほど、定年を迎え退職した途端ぱたりと誰からも連絡が来なくなるのだ。
その人の人気とはその程度のものなのだ。
みんな、その部長自身のことが好きだったわけでなく、仕事がスムーズにいくようにそのような素振りを見せていただけなのだ。
これは、よくあることなので十分に注意していてほしい。
作家の世界というものもそんなもので、売れっ子の作家なら編集の人もチヤホヤしてくれる。
それは、原稿が欲しいからだ。
それを自分の人気だと勘違いしてしまい、横柄な態度をとってしまうと売れなくなった途端まったく相手にされなくなるのだ。
私たちは、しばしば自分の人気というものを見誤ってしまうことがある。
例えば、本人に自分の人気を推定してもらい、実際に周りの人たちんいその人の人気について聞いてみると、自分が推定した評価よりも実際は低いという傾向があり、このことを「人気の過剰推定現象」という。
これは実際に、アメリカのテキサス大学の調査によっても明らかにされていることだ。
もしあなたが周りの人からチヤホヤされることがあったとしても、それは自分に対する人気だとは思ってはいけない。
たまたま、そういうポジションにいるのだとか、仕事で必要だからだとか謙虚に考えるべきなのである。
有吉さんは猿岩石時代に一気に人気者になったが、その後まったく仕事がない苦しい時代を経験している。
そのため「人気」というものがどんなに曖昧で不確かなものであるかを身に染みて知っているのだ。
人気というものは、あっという間になくなってしまうものなので、「自分は人気がある」などと思わないほうがいい。
人気があるのはあなたのポジションであって、決してあなた自身ではないのである。
はらいかわてつや