相手に応じてアピールポイントを変化させよう
自己アピールを行う上で、最も有効なのが相手の思い通りのイメージに自分を合わせることである。
相手もみなさんに対して思い込みのようなイメージを持っている。
そのイメージどおりに自己アピールをすれば、抵抗なく相手に受け入れてもらうことができる。
例えば、相手からあなたが頭がいいと思われているのであれば、その通りの知的な話題を話せばいいのだ。
そうすれば、相手のイメージ通りの「頭が良くて教養豊かな人」と受け入れてもらえる。
カメレオン人間がとるべき戦略はまさにこれなのである。
そしてこれが、有吉さんが実際に行っていることである。
僕の場合は、相手が「有吉ってこうだ」と思っているイメージに合わせます。「相手好みの自分」でいいと思うんですよ。(『嫌われない毒舌のすすめ』KK ベストセラーズ、64ページ)
外見や話し方などによって、「この人はどこか儚げで私が守ってあげなければ!」という印象を与えている人がいれば、その人はイメージ通りの「子犬のようなか弱い自分」を演じるのが正解だ。
イメージを捻じ曲げて、「僕は強い男だ!」とアピールしたとしても、受け入れてはもらえないだろう。
大事なのは、相手が自分に持っている印象を正しく察知し、その印象どおりの行動をすることだ。
実際の自分と相手のイメージの自分がどれほどかけ離れていても、それはどうでもいいことで、イメージに合わせた自分を演じるのだ。
「でも、ギャップを演出したほうが魅力的だという話を聞いたことがある」ということを思う人もいるだろう。
確かにクールなイメージな人が、優しい行動を取ったとき、そのギャップがたまらく魅力的に映ることがある。
このような効果は「ゲイン・ロス効果」と呼ばれている。
アメリカのイリノイ大学のジェラルド・クロア氏によると、初めに冷たい雰囲気を出しておき、後から優しい行動をすると、圧倒的な好意を相手に感じさせることができることを実験によって実証している。
しかし、それは上級者用の高度なテクニックである。
初心者はそんなテクニックを使わなくてもいい。
初心者は、「たぶん自分はこういうイメージを持たれているだろうな」というイメージの通りに行動すればいいだけである。
もちろん、あまりにも悪い印象を持たれている人は、それをきちんと正すような振る舞いをする必要がある。
「相手の要求通りに応えることができる」ことをアピールしよう。