コミュニケーションなんて必要ない
世の中には,コミュニケーションがどうしても苦手な人がいる。
人付き合いがどうしてもできない人がいる。
そんな人には,「コミュニケーションなんて必要ない」と言ってあげよう。
別に無理をしてまでコミュニケーションをとる必要はないのだと。
自分が話したいと思ったときにだけ人に話しかければいいのだ。
無理して話しかけたりと,それ以上のことをしなくてもいい。
話すのが苦手だという人が,きつい思いをしてまで話さなくていいのだ。
「コミュニケーションなんか、取らなくていい」って。
人とコミュニケーション取ることって、そんなに大事ですか?
(「嫌われない毒舌のすすめ」KKベストセラーズ、43ページ)
この有吉さんの言葉には,話すことが苦手な人はとても勇気づけられるだろう。
一般的に,理系の人は文系の人よりもコミュニケーションが苦手な人が多い。
しかし,コミュニケーションが苦手ならば,極力人と関わらないようにしてもいのだ。
自分がつきやすいなという人,少人数とのつきあいを大切にすればいい。
無理をしてコミュニケーションをしようとすると,疲弊してしまい人間関係そのものが嫌になってしまいかねない。
自分ができる範囲でできるだけのことをしてつきあうようにすればいいのだ。
文豪である夏目漱石も人づきあいが苦手だったといわれている。
彼の元には毎日お弟子さんたちが押し寄せてくるため,いつも辟易していたそうだ。
そこで,自分は人とは木曜日にしか合わないと決めて,木曜日以外に人と付き合うことをやめてしまった。
こういう理由で「木曜会」ができたのである。
苦手なこと,嫌いなことは,無理してする必要はなく,なるべくそれをしない,減らす方向にもっていくのが大事である。
対面して人と話すのが苦手ならば,メールでやり取りをすればいい。
お酒の席が苦手ならば無理して2次会,3次会と顔を出す必要はない。
自分が我慢できる範囲,許容範囲の中でつきあっていけばいいのだ。
そうしていくと人づきあいというものがずいぶんと楽になる。
コミュニケーションが苦手な人が,自分のキャパを超えて無理して人づきあいしようとするため,うまくいかないのだ。
「できることから少しずつ」をモットーに気楽にやっていけば,少しずつ許容範囲も広がっていくだろう。
できるところから始めることで,次第に人づきあいの面白さを感じることができるようになって,もしかしたら人嫌いが治るかもしれない。
ようは「慣れ」なのだから,慣れないうちは小さいことを自分なりに頑張ればいいのだ。
これを,心理学では「スモール・ステップの原理」といい,できるだけ低いハードルを設定することが大事なのだ。
会話はメール,飲み会は1次会だけでいいのだ。