何を言っても動かない人を動かす方法
はらいかわてつやです。
◎人とは言うことを聞かない動物である
人間はその思考においてものぐさであるから、個人と同じく国民も、そう簡単に考えを変えるものではない。(英国はなぜ眠ったか)
上の分は、ケネディ大統領がハーバード大学の卒業論文に書かれたものからの引用である。
この論文では、人間という生き物がいかに自分というものを変えないのかについて語られている。
人間が自分の考えを変えない理由として、ケネディは「ものぐさ」であることを指摘しているが、私は「反抗心」からであると考えている。
私は、人というものは他人からの影響を受け、他人によって説得されることを嫌がるものだと感じている。
子どもに、「早くご飯食べなさい」とか「早くお風呂にはいりなさい」などと命令すると、余計に言うことを聞いてくれないことが多々ある。
子どもでさえそうなのだから、大人に言うことを聞いてもらうのはとても難しい。
人を説得する際には、うまくいくかどうかはあまり気にしないというスタンスで臨むのがよい。
「人間というものはそうそう言うことを聞かないものだ」と思っていれば、深く失望したり怒ったりしないですむのだ。
「なんで私の言うことが聞けないんだ!」
「同じことを何回も言わせるな!」
と大きな声を出してみても、相手に嫌われてしまうのが関の山である。
無意味なイライラは寿命を縮めるだけでいいことは何もない。
人間とは変わらないものだと悟っていれば、たとえ言うことを聞いてくれなかったとしても、あまり腹が立つこともないし、自分の意見を他人に無理やりに押し付けることもないので、相手に嫌われることもない。
◎ 動かないのは「やれ」と言うからである
イリノイ大学のブライアン・クイツク氏は、「~しなさい」と人に押しつけるような言い方をすると、かえって不快感や怒りを買い、うまく事が運ばなくなると述べている。
相手に言うことを聞かせるのが上手な人というのは、あまり強く人に言わない人が多い。
彼らは、強く言うことはかえって逆効果になることを熟知しているのである。
「必ずこうしろ!」
「絶対にこれに従え!」
などという言い方では、言われた人は頭にくるのは当然だ。
相手にも気持ちがあるということを意識して、尊厳を傷つけないような言い方をしなければならない。
人を使うのが上手な人は、このことをよく理解しているのだ。
読者の人たちも、自分に当てはめて考えてみるとよくわかると思うが、他人に命令されるのはあまり気持ちのいいものではない。
「自分が嫌がることが他人にもしない」というルールのもとで、人にこうしてほしいと求めるときは、柔らかな物言いを意識することが望ましい。
はらいかわてつや