「頼れる人」がいなければ上位層にはなれない
はらいかわてつやです。
人付き合いが不得手な人は「誠実さ」が大事
実は、ケネディ大統領は人付き合いがあまり得意ではなかった。
ケネディの地元ボストンのアイリッシュの選挙においては、地元の人々との親密な関係が重要であった。
ボストンの選挙では、候補者と地元の人が一緒にお酒の席を共有し、肩を抱き合ってジョークを言い合うのが一般的で、これはケネディが最も不得意なことであった。
そんな中、ケネディはどのようにしてこの選挙戦を乗り切ったのであろう。
実は、自分の妹たちに助け舟を出してもらったのだ。
ユニスやパトリシアやジーンといった自分の妹たちに、頻繁にティパーティを開いてもらった。
そこで地元の人々と一緒に紅茶やクッキーをつまみながら実際に触れ合うのは妹たちで、ケネディはというと、最後に少しだけ出席するだけだった。
苦手なことは、思い切って特異な人にまかせるのが一番という戦略だ。
むしろ、ケネディのむやみやたらに馴れ馴れしくない態度が彼の誠実さを表し、逆に評価されたのだ。
ケネディは、自分の苦手なことを人にお任せするのが上手だったのだ。
われわれが結束するとき、多くの共同事業において、なしえないことはほとんどない。しかし、分裂するならば、われわれはほとんど、何事をもなしえないのである。 (大統領就任演説」1961年1月20日)
ケネディは、何でもこなしてしまうスーパーマンでは決してなかった。
周りの人の力を借りなければうまくいかないことを熟知していたのだ。
ケネディは大統領就任時に「国民の力を合わせなければ何事も成し遂げられない」と述べており、
これは実際に自分が家族の力がなければ大統領になることはできなかったという体験のもとに痛感した言葉だったのだろう。
◎実力は普通なのに「花形」になれた秘密
仕事ができる人というのは、人の使い方が絶妙である。
アメリカの有名なシンクタンクであるベル研究所では、あらゆる方面からトップクラスの技術者や研究者が集められている。
そんなトップクラスの人ばかりが集まった中でも、実力には差があって、花形研究員とそうではない人がいる。
「花形研究員」とされている人上位15%と残りの研究員を比べてみたところ、知能や性格のテストにおいて大差はなかった。
ただ一つ違っていたのは、人脈(ネットワーク)だった。
花形研究員と呼ばれる人たちには、何か困ったら助けを求めることができる人がいたのに対して、そうでない人たちは自分ひとりで問題を解決しようとしたことである。
みなさんは、自分が苦手なことを安心して任せることができる人を作ろう。
そうすればその人があなたの代わりに全部こなしてくれるのだ。
ホンダの創業者である本田宗一郎さんは、100%信頼できる人がいた。
それは藤沢武夫という人物で大事な社長の印鑑まで預けられていたのだ。
本田さんは「苦手なことは絶対に手を付けない」と心に決めていた。
自分が苦手なこと、気乗りしないこと、嫌なことは代わりにこなしてくれる人を見つけておこう。
そのかわり、相手が苦手としていることで自分ができることがあったら代わりにやってあげよう。
そうすれば、ギブ&テイクが成り立ち良好な関係が築けるのだ。
スーパーマンになろうとするのはやめよう。
弱みがあって他人に素直に甘えられるくらいのほうが、かえって人間としての魅力は高
まるものなのだから。
はらいかわてつや