厳しい局面で困った時の対処法

はらいかわてつやです。
誰かに応えたくない質問や嫌な質問をされたりしたときの対処法として「冗談で逃げる」といった方法を覚えておいてほしい。
「本当はもうちょっと安くできるんじゃない?」
とお客さんから言われたとしても、しどろもどろにならずに「これより安くしたら、タダと同じですよー」と冗談っぽく返すことができれば、客もそれ以上は突っ込んでこなくなるものだ。
時として、まともに返すのではなく、うまくはぐらかしたほうがよいという場合は多々ある。
イギリスのヨーク大学のピーター・ブル氏は、マーガレット・サッチャー元首相が記者たちの質問に対してどう答えているかを分析した。
そして、彼女はうまくはぐらかす話法に長けているということを発見した。
優れた政治家というものは、うまくはぐらかすのが上手なのである。
ケネディ大統領も、嫌な質問に対して冗談交じりではぐらかすのがとてもうまかった。
ケネディは、その選挙戦に湯水のように資金を使った。実業家だった父ジョセフの援助があったからだ。大統領に立候補したときにも、その点について批判されることが多かった。ところがケネディは、「昨夜、父から連絡がありました。いい気になって金を使うなよ。地滑り的大勝利にお金を使うなんて無駄遣いはしたくないからな」と選挙資金をめぐる問題をジョークですませてしまった。(「フォト・パイオグラフィ ジョン・F・ケネディ」)
戦後のある日本の政治家にも「お前は3人も愛人がいるだろう」とヤジを受けた際に「訂正させてもらう。私の愛人は3人ではない。5人だ。」と答えた人物がいる。
このような切り返しができる人こそ大物であるといえる。
アメリカのウィンスロップ大学のジェニファー・ソロモン氏曰く、困難な状況にあっても冗談を言うことができれば、自分自身を「それほど心配しなくてよい」と言い聞かせることができ、「うまく困難な状況を打破することができる」という思いが高まるそうである。
つまり、困難な状況でも冗談によって、肩の力を抜くことができるのだ。
困った時には、むやみに慌て騒ぎ立てずに、何か冗談をひとつ言って切り抜ければいいのだ。
ビートたけしも、番組の収録に遅刻してしまったときに「だって、お姉ちゃんが放さないんだもん」とジョークを飛ばして、スタッフの気持ちをほぐす。
このように、冗談の効果はてき面なのだ。
そうはいっても、困った状況にあると精神が高ぶって、冗談などうまく言えないという人もいるだろう。
だとすると、素直に困っていることを口に出すことをお勧めする。
「いやー、困りました、私はどう切り返したらよいのでしょうか?」
と、とぼけたような様子で、素直に話せば、言われた相手も笑ってくれるのではないか。
相手の質問で、あたふたするよりも、ユーモアをもって対応したほうがいい。
「しかし、それではふざけていると思われるのでは?」
と不安に感じる人もいるだろう。
しかし、どうせピンチな状況なのだから、「他に方法がない」と開きなおるのがいいだろう。
はらいかわてつや