大ボラは吹けば吹くほど周りから尊敬される
こんにちは、はらいかわてつやです。
◎どうせ吹くなら大きな理想を
国民諸君、この第一歩を踏み出そうではないか。できることなら、戦争の暗い
影から抜け出して、平和への道を探し求めようではないか。そして、たとえこ
の道が千里もそれ以上あったとしても、この国土において、この時代に、われ
われがその第一歩を踏み出したことを、歴史に記録させようではないか。
(「部分的核実験停止条約の仮調印を終えて」1963年7月26日。ラジオ・テレビ演説)
ケネディ大統領流のリーダー術の基本は、大きな理想を積極的に語ることでした。
大げさな言い方だと思う人もいるかもしれませんが、大国アメリカを統率するにはそれくらい大きなことを言わなければ国民はついてきません。
リーダーの資質とは、どのくらい大ボラを吹くことができるかということで決まります。
優秀で人を惹きつけるリーダーとは、みんな大ボラ吹きなのです。
「私たちの足跡を、歴史に記録させようではないか」というケネディが述べた言葉は、国民の心を大きく揺さぶったと思います。リーダーは、このように大きな理想を語ることが求められます。
1992年に大成建設は、「俺たちは″地図に残る仕事″をしている」というキャンペーンを掲げて世間で一躍話題になりました。東京スカイツリーの建設などは、その言葉通り、「地図に残る仕事」といえるでしょう。
建設業とは、昔から「キツイ」「汚い」「危険」の「3K」の職業の代表とされてきました。しかし、この大成建設の「地図に残る仕事」キャンペーンは、建設業に携わる人々の、仕事に対する使命感を改めて奮起させました。
自分の子どもたちに、「お父さんは地図に残る仕事を頑張っているんだ!」と言えることが、建設業の人々の誇りになったことでしょう。
◎「ビジョンの大きさ」がモノを言う
リーダーの仕事のひとつは、部下のやる気を引き出し高めることです。
そのためには、小さなことばかり言っていてはダメです。
大きな理想を示すことで、「あのリーダーはすごい!」という評判が広がっていくのです。
しばしば言われることですが、リーダーとは、先を見越した「グランドデザイン」や「ビジョン」をもつ必要があります。「私がしたいことはこれです!」ということを明確に示さなければ、部下は誰もついてきません。
もちろん、ビジョンは持つだけではダメです。
明確なビジョンをもっているのならば、それを積極的に人に伝えなければいけません。
心理学用語でこのことを「ビジョン・コミユニケーション」と言います。
アメリカの心理学者であるロバート・バウム氏は、183名の独立起業家やCEOを対象に調査を行いました。その結果、この「ビジョン・コミユニケーション」を積極的に行っている企業ほど、企業の成長率が高かったのです。
小さな目標だけを掲げていると「あの人は器が小さい人間だ」と言われてしまいます。
一方、大きな目標を掲げている人は「あの人は器が大きく、大物だ」と評価してもらえます。
よって、リーダーになりたい人は、なるだけ大きなことを吹聴したほうがいいです。
「核兵器をなくそう」という目標をケネディが語っていた時代は、ソ連とアメリカの冷戦の最中でした。そのためケネディの言うことは、多くの米国民にとって夢物語でした。
それでもケネディは、まず一歩踏み出すことが大切だと自らが考えるビジョンを国民に示したのです。
もしあなたが上司という立場で、言うことを聞かない部下がいて困っているのならば、それは「ビジョン・コミュニケーション」の不足ではないでしょうか。
ビジョンを共有することができれば、あなたの部下も必ずついてきてくれます。
部下をびっくりさせるくらい大きなビジョンを示してあげましょう。
はらいかわてつや