弱みを突かれたたときの対処法
はらいかわてつやです。
◎胸にグサッときてたときは
ケネディ大統領は、初のカトリック信者の大統領だった。
そして、現在までの歴代大統領で唯一のカトリック信者なのである。
ケネディが大統領選に立候補する際、彼がカトリック信者であることは一番のネックになった。
予備選挙を争ったハンフリーも、彼がカトリックであることを攻撃する作戦に打って出た。
これに対して、ケネディは毅然とした態度で以下のように述べた。
アメリカ合衆国の海軍に入隊するとき、だれも私がカトリックかどうか聞きませんでした。私の兄が最後の任務で爆撃機に乗り込むとき、だれも彼がカトリックかプロテスタントかなど聞きませんでした。それなのになぜいまごろ、私のアメリカヘの忠誠心が問題になるのでしょうか。
(土田宏『ケネディーー「神話」と実像』)
相手に弱みを突かれたときに、「あの、それは、……」などとしどろもどろになってはいけない。
むしろ、超然とした態度で「それがどうした?」と受け流さなければならない。
そうすれば、指摘されている弱みなど問題にならない。
あるいは、「弱み」を「強み」としてアピールするのもひとつの手で、最高の戦略である。
もし、あなたがとても若く「あなたはこんなに若いのにこの仕事が務まるのですか?」とクライアントから言われたとしよう。
こんんときには、「若いほうが馬力があってこなすことができる。という上層部の判断なのです。」とでも返答しておけば、相手は安心して仕事を任せることができる。
年齢が若いことは、強みにこそなれ、決して弱みではないことを主張するのだ。
ケネディも「若くて経験が浅い」という指摘を受けたとき、「若さこそ何事にも挑戦できる力なのだ」と強みへと変えて選挙戦を戦っていた。
◎「むしろそこが売りなのです」
私たちは、弱みを隠すことに執心してしまうが、弱みを強みに変えることができないかを考えることが大事だ。
すると、今まで弱みとしか捉えられなかった部分が、実は強みで強大な武器になるということに気づけるはずだ。
ドイツの心理学者であるウェルトハイマーは、これまでの視点を打ち捨て、新たな枠組みの中で問題を捉えなおすことを「中心転換」と呼んだ。
弱みを強みに変える考え方は、まさに「中心転換」なのだ。
「君の仕事は雑だ」という指摘を受けたら「確かにおおざっぱかもしれませんが、速さが私の売りなんです」とアピールすればよい。
逆に「君の仕事は遅すぎる」と指摘されたら、「手抜きをせずに丁寧にこなすのが、私のやり方なのです」と受け答えることができればいい。
常に柔軟な発想をして、中心転換ができないか考えよう。
私たちが弱みだと考えていることは、得てして根拠がないことが多々ある。
そのほとんどが、勝手な思い込みであるのだ。
だから、中心転換はいくらでもできるのである。
はらいかわてつや