ケンカで相手との距離を縮める方法
こんにちは、はらいかわてつやです。
ケンカをしてしまうと、その人との関係は一時的にギクシャクしてしまいます。しかし、ケンカによって相手のことを深く理解できるようになり、ケンカする前よりも親しくなるということも珍しくありません。
昔の子どもは、毎日のようにケンカをしていましたが、ケンカの後はきちんと仲直りをして、お互いの気持ちを通わせていました。
一方、今の子どもはケンカをしない分、表面的に仲良くしているような印象を受けてしまいます。
より深く付き合うためには、ケンカをするということは決して悪いことではありません。
むしろ、本当の友達関係を築くには、お互いの言い分をきちんと言って、取っ組み合いのケンカをしたほうが良いとさえ思っています。
ケネディが大統領の際、アメリカに最大の危機が訪れました。1962年の10月に起こった「キューバ危機」です。「ついに第三次世界大戦がはじまってしまうのか!」と世界中がどよめいていました。
では、キューバ危機の後、米ソの関係は悪化したでしょうか。答えはNOです。
このときの諍いを契機に、ケネディ大統領はソ連のフルシチョフ首相と40回以上もの個人的な書簡のやり取りをして、以前よりも親密な関係を築いたのです。それまで、全くやり取りがなかったのにも関わらずです。
そして1963年の8月、モスクワにおける「部分的核実験停止条約」の調印や米ソ直通連絡線(ホットライン)の設置、核兵器の軌道打ち上げ禁止決議など、お互いの平和的共存のためのきっかけをつくっていきました。
ケネディ大統領もフルシチョフ首相も、お互いに一歩も引かないという危機を乗り越えることで、理解し合えたのではないでしょうか。そして、キューバ危機の後、関係が良好になったのです。
中国には、「ケンカをして仲よくなる」という言葉があるそうです。
日本にも、「ケンカするほど仲がいい」という言葉があります。これは科学的見解においても、正しいようです。
アメリカのテキサス大学人類生態学科のテッド・ヒューストン氏は、以下のような調査を行いました。ベンシルバニア州に結婚証明書を提出しているおよそ150名の夫婦を13年間もの期間、追跡調査したのです。
その結果、婚姻期間のはじめの2年間でケンカした回数は、離婚とあまり因果関係がないことが判明しました。多くの場合、ケンカをしたからといって、すぐに離婚ということにはならないのです。
むしろケンカがなくなり、「返事さえしない」という状態になったときこそが、離婚の可能性が最も高くなる、とヒューストン氏は示唆しています。
日本人の国民性は、気に入らないことがあっても我慢して黙ってしまう人が多いですが、それは「和」を育むどころか、「離婚」の可能性を高めるという結果になってしまうのです。
もちろん度が過ぎた険悪なケンカになってしまわないように、「仲が良いからこそ、言いたいことが言い合えるんだよ」と、適当なところで折り合いをつけなければいけません。
また、ケンカをした後は、お互いのことは水に流し、後になってむし返さないことがケンカの鉄則です。
何日もチクチクと皮肉をこぼすようなことは、言語道断です。このように、マナーを守ってケンカをすれば、度の過ぎたケンカになることはないはずです。
はらいかわてつや