自分の短所を利用しよう
はらいかわてつやです。
◎ケネディ大統領も劣等感を持っていた
自信満々な人間にみえるケネディだが、実はにわかには信じられないがコンプレックスの塊のような人だったと言われている。
しかし、彼は本当に小さなころからコンプレックスを持っていたのだ。
ケネディの父親であるジョセフは、競争には必ず勝ち、目標を必ず達成することを是とするような闘争心がとても強い人だった。
そして、それを家族にも求めて、ケネディ家以外の他人に勝つことだけでなく、家庭の中でも勝つことを要求していたのだ。
ケネディは、2歳年上の長男であるジョセフとあらゆる場面で競争することを求められたが、いつも負けてばかりだったという。
小さい頃の2歳の差とはとても大きいものだ。
幼いころのケネディは、兄ジョセフを尊敬していたが、同時に劣等感を募らせていったのだ。
フットボールにしろダンスにしろ、学校の成績でも兄ジョセフに勝つことができなかったのだ。
負けず嫌いだったケネディは、兄ジョセフを目標に努力し続けた。
しかし、どんなに頑張っても、兄を超えることはできなかったのだ。
自分が勝つことができない相手が常に近くにいるということは、精神的にもとてもつらいことである。
しかも、長男や長女というのは、両親の期待を一身に受け、がんばり屋さんや努力家が多いので、下の子どもは上の子に勝つことができないことが多い。
◎劣等感はプラスにもなる
だが、心理学において劣等感を持つということは、必ずしも悪いこととは考えられていない。
なぜなら、劣等感に打ち勝つために、努力し優れた人間になる可能性があるからだ。
これを心理学用語では「補償作用」という。
人は自分の欠点や足りないものに気づくと、それを補おうと努力する。
たとえば、幼いころから吃音であることに劣等感を感じていた人が、克服するために一生懸命努力して、かえって優秀な弁論家になることもある。
宗教指導者であるモーゼも、古代ギリシャの偉大な弁論家デモステネスもそうであったという。
「悔しい、どうしてうまくできないんだ!」
という劣等感を持つからこそ、他の人の何倍も努力するということは、よく聞く話だ。
もし、みなさんが劣等感を持ち、コンプレックスの塊だったとしても、悲観しないで大丈夫。
その劣等感・コンプレックスを「やる気」に変えて、原動力にしてしまえばいい。
「私はなんて頭が悪いんだ!」
というコンプレックスを持っているなら、人よりもたくさんの本を読めばいいのだ。
そうすれば、たくさんの知識と教養が身に付き、しだいに周りの人から「博覧強記の人」と言われるようになるかもしれない。
あるいは、「ブサイク」というコンプレックスを持っているなら、「人に優しくしよう」、「人を楽しませる人になろう」と、別の面で努力すればいい。
そのように頑張っていれば、短所や欠点を補ってもあまるくらいの武器(長所)を身に着けることができるだろう。
もし劣等感やコンプレックスを全く感じていなければ、人は自分を変えようと努力しなくなってしまう。
だから、劣等感やコンプレックスを持つことは、かえって良いことなのだ思ってもらいたい。
「私は劣等感が強く、コンプレックスの塊だ。というころは、まだまだ伸びることができる!!」
そう考えることが、あなたを成長させるコツだということを覚えておこう。
はらいかわてつや