「リーダー」となる人とは最も多く出した人である
こんにちは、はらいかわてつやです。
◎人とは無意識に利己的に行動してしまうもの
ケチな振る舞いをしていると、人としての評価を落としてしまうということを前に述べました。
このことはとても重要なので、もう少し深く話をします。
えてして人間とは本来利己主義でケチな人が多いものです。この「他人に得をさせなさい」という話を聞くと、耳が痛くなるという人も多いかと思いますが、我慢して聞いてください。
イギリスのケント大学のチャーリー・ハーディ氏は次のような実験を行いました。
高校生を3人1組のグループに分けて100ペンスを分け合うという実験です。
ハーディが調べたかった内容とは、自分に多く分配するか、他の2人に多く分配するかによってリーダーになれるかが決定するのではないかということでした。
すると結果は、ハーディーの仮説どおり、自分の利益を最小限に抑え残りの2人に多く利益を分配した人のおよそ82%がグループのリーダーになったのです。
「自分の取り分を多くしろ」なんて言う人はリーダーにはなれません。
「自分はいいから、みんなに利益が出るように」という主張ができる人こそ、みんなからリーダーとして認められるのです。
◎得を与えて信頼を得よ
ケネディ大統領も、利己主義や自己愛について、強く諫めています。
政治家たるものがケチな自己愛に陶酔し、地位を守ることに必死になると公共の利益を守ることはできません。
仮にも人の上に立つ人というのは、自分の利益を考えるべきではないのです。
日本でも、天下を取った豊臣秀吉は自分が空腹であったときも、家来の武将たちに食べ物を分け与え信頼を得ていたといわれています。そういうことがごく自然にできるものが理想のリーダーなのでしょう。
『戦略的サラリーマン論』(成美文庫:西村晃さん著)という本には、人脈を作っていく上で一番大切なことは「相手に得をさせることである」という内容が書かれていました。
たとえば、自分の商売のために相手を利用するという気持ちが少しでもあると、そういう考えはすぐに相手に見透かされ、物事がうまくいかなくなってしまうのです。
長い目で見ると、他人に得をさせて自分が損をしてしまうことなんて嫌だと考えてはいけません。
人というものは打算的なところが多く見られます。そのため、自分に利益をもたらしてくれる人に好感を持つものです。長い目で見ると、あなたが得をさせた相手は、あなたとは末長く付き合っていきたいと考えるのです。また、あなたのことを贔屓したいと思い、さらに自分もあなたにお返しをしたいという気持ちさえわきおこるのです。
したがって、はじめに多少損をしたとしても、いつかは元を取ることができるようになるのです。
肝心なことは、相手の利益になるようなことを積極的に行うこと。またそのときには、
「全然気にしないでいいよ。恩着せようなんて気はまったくないんだから!!」
と爽やかな笑顔で返すことが大切です。
はらいかわてつや