「バッドニュース」は信頼を深めるための最大のチャンス
こんにちは、はらいかわてつやです。
◎東電が「情報隠し」で得たものとは
原発事故では、東電が自分たちに都合の悪い情報を隠滅しようとしたという「情報隠し」がニュースに
なりました。
誰でも、自分に都合の悪いことはできれば知られたくないでしょう。
東電と同じ状況に立たされたら、必死に情報隠ぺいを画策したかもしれません。
しかし、世の中というものは悪いニュースは必ずと言っていいほど漏れてしまうものです。
そうであれば、自分から早急に公表することが一番いいのではないでしょうか。
「ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした」と、謝罪したほうが潔いし、評価を下げることを最大限抑えられるのではと思います。
自分だったら、気持ち的には悪いことは隠したいとして、謝ったほうが得策だと判断します。
そのほうが、情報を隠蔽しているという後ろめたさを感じずにいられるので、心理学的観点から見ても効果的です。
アメリカのバックネル大学のJ ・T ・プタセク氏は、62名の獣医を対象にアンケート調査を行いました。
そのアンケート結果では、「ペットが死んでしまった」というような悪い知らせは、なるべく早く飼い主に伝えることが一番良いという回答が多かったというデータを得られています。
そのほうが、ストレスを感じずに済むのです。
悪いニュースを伝えることが遅れてしまうと、後で飼い主に責められるかもしれません。それならば、なるべく早く伝えたほうが賢明なのです。
◎経営の神様が語る人心掌握術とは
ケネディは以下のように、悪いニュースであっても国民にしっかりと伝えています。
現在はこれらの事実(米ソのミサイル・ギャップ)を一般大衆に隠しておくべきと
きではない。いわんや自己満足しているときでもない。警鐘を打ち嗚らすこと
は、パニックを起こすためではなくて、目覚めた大衆に行動を要求するためでる。
(「平和のための戦略」1960年1月までの演説集)
もし敵国が新型の兵器を開発しているということが判明したら、国民を怯えさせないよう、隠しておくのが普通です。しかし、ケネディはそのような悪い情報も国民にはっきりと伝えていました。
はっきりと話した上で「どうすればいいかをみんなで一緒に考えましょう」と言うのがケネディ流のやり方です。
あなたがもしリーダーならば、自分に都合の悪い情報があったときは、きちんと周りに伝えることをおすすめします。
周りの人は、聞いたときには驚くかもしれませんが、落ち着いてくると「よくぞ話してくれました」と好意的な評価を得ることができるでしょう。
「形成の神様」と謳われた松下電器の創始者である松下幸之助氏も、業績不振や赤字決算などの情報をすべてさらけ出して本音を話し合う「伝説の熱海会談」をやってのけたことがあります。
全国の営業所の社員たちを熱海に招き、どれほど業績不振に陥っているのかをしっかりと目を見据えて話し合ったのです。
それがたとえ悪い情報であったとしても、潔く公表してしまえば、気分は晴ればれとしますし、次にどうすれば良いかを
思案することができます。
リーダーのもとへはさまざまな情報が集まってきますが、そのときは良い情報だけでなく悪い情報も周りに伝えるべきなのです。
はらいかわてつや