「権力」を掴み取りたければ「いい人」を演じるのをやめよう
こんにちは、はらいかわてつやです。
◎あなたが「弱そう」に見える理由
「いい人」を演じることに意識がいきすぎて、常に相手に合わせたり、相手の機嫌をうかがうようなことばかりやってしまっていませんか。そういう人は、たいてい周りから「弱そう」に見られていることが多いです。
ケネディ大統領は、いつもとても穏やかな雰囲気を醸し出していましたし、当然平和主義でしたが、決して「弱そう」に見られることはありませんでした。それは、芯が強いことを示すことを怠らなかったからです。
大統領に就任した際の演説では以下のように述べています。
われわれは弱みを見せて、
相手に手を出させるような誘惑を、決して与えるようなことはしない。
「大統領就任演説」1961年1月20日)
弱みを見せてしまうと、そこにつけこんでくる人がいます。でもそれは、相手に隙を見せ「弱そう」と思わせてしまった自分の責任なのです。
ケネディは米ソ冷戦の最中に大統領に就任しました。ソ連とアメリカの関係は最悪で、ケネディはなんとかソ連と仲良くしようという気持ちでしたが、決して弱腰に見られるようなことはしませんでした。
表向きは柔和に見せても、威厳や力を示すことを忘れてはいけません。
「強さ」を示すことを忘れてしまうと、とたんに相手はあなたのことをナメて接してくるようになります。
私が、「いい人」になりましょう、と助言をすると、無意味に愛想笑いを浮かべていればよいと勘違いしてしまう人がしばしばいます。
たしかに、愛想笑いを浮かべ低姿勢でいると相手をいい気分にさせることはできます。
しかし、決してそれは、あなたのことを「一目置く存在」と見ているわけではありません。
必要なときは、上司でもお客様でも言うべきことをしっかりと自己主張できるようにならなければいけません。そのように、”軽く噛みつく”ような態度を示しておくと、相手から「この人はただのイエスマンではない」と意識されるようになります。それは自分の評価を上げることに繋がります。
◎ひるんでしまったときはこぶしをグッと握りしめる
「私はどうしても相手と対面すると、萎縮してしまい、とても強そうに見せることなんてできません。精神的な強さを得られるような方法はないですか?」
と思ってしまう人もいるかもしれません。
そこで、誰でもすぐに実践することができる心理テクニックを紹介しましょう。
どうしても臆病になってしまいがちな人は、人と対面したときは握りこぶしをつくってみましょう。
手をグッと握りしめるのです。
「そんなことで精神的な強さを得られるのか」、と疑問に思う人もいるでしょう。しかしこれは、科学的な研究でも実証されているとても有効な方法なのです。
ポルトガルのリスボン大学の2人の心理学者、シューベルト氏とクール氏は次のような実験を行いました。
ひとつの作業をしながら、気を取られることなく別のもうひとつの作業をすることができるのか試す実験だと被験者に偽って、次の2つのグループをつくりました。
①利き手ではないほうの手で「グー」をつくる
②利き手ではないほうの手で「チョキ」をつくる
作業が終了した後に、自己評価の心理テストを被験者たちに行ったところ、「グー」をつくっていたグループ、すなわち握りこぶしをつくっていたグループのほうが、そうでないグループよりもはるかに高い自己評価を得ていたのです。
この結果からもわかるように、人と対面したときに気弱になってしまいがちな人は、握りこぶしをつくるだけでいいのです。簡単すぎて信じがたいかもしれませんが、とても役に立つ方法なので、覚えておいて損はありません。
はらいかわてつや