多数決で決めようとする人は人望を失う
はらいかわてつやです。
◎「ワンマン」ぶりをあえて見せよう
みんなで何かを決めるときに、安易に多数決に頼ってしまうことはあまり良いことではありません。
たとえ、会議に時間がかかったとしても「多数決で決めよう」というのは、あまりにも安易すぎます。
そのような行動をとるようでは、この先リーダーシップを発揮することが難しくなってしまいます。
「たとえ周りが反対でも自分の意見を突きとおす」くらいの強い態度を示したほうが、リーダーとしての評価は上がることが多いです。
元総理大臣の小泉純一郎氏は、日本人としては稀ですが、「和」を尊び協調するよりも、「自分に従わない者は抵抗勢力である」と勢いを上げ、国民から支持を受けていました。
リーダーたるものこれくらいの勢いがなくてはなりません。
確かに、ゆっくりと時間をかけて話し合いをしたり、多数決をとったりすることが民主的な方法なのかもしれません。しかし、そのような方法ばかりを大事にしすぎてしまうことで、結局のところ何も決定しないという事態に陥ってしまうこともあります。
ケネディ大統領もこの民主主義のデメリットに気付いていました。
長期的には民主主義がすぐれている。しかし、
短期的には民主主義は大きな弱点を持っている。
(「英国はなぜ眠ったか」日本外政学会)
自分のやりたいこと、やるべきことを実行するには多少ワンマンなところがなくてはなりません。
この場合の「多少」のバランスをとることが非常に難しい点でもありますが、リーダーには「バランスのとれたワンマン力」が求められる資質の一つであることは明らかです。
◎「ワンマン力」:「周りとの和」は3:1のバランスがよい
前述したように、周りの意見も聞かなくてはならないが、自分のやりたいことを実行するためには自分の意見を貫かなければなりません。しかし、あまり意固地になりすぎて、周りの意見にまったく耳を貸さないというのも問題です。
では、どのくらいがバランスのとれた割合になるでしょうか。
「ワンマン力」を3としたとき、「周りとの和」を1くらいにするとちょうど良い案配になります。
ワンマンでなくてはリーダーとして周囲から認められませんが、その3分の1程度は周りとの和を大切にするといいです。
アメリカのイリノイ大学のジェラルド・クロア氏は、「人に好かれよう」としたときには、この割合を逆にするのが良いと述べています。つまり、周りとの和を3、自分の意見を1とするときが、他人に好かれるということです。
リーダーだからといって、決して傍若無人な振る舞いをしていいというわけではありません。
少しは妥協したり譲ったりという姿勢を見せることも大事です。そうすると、周囲の人もリーダーに進んで従ってくれるようになります。
はらいかわてつや