「黒歴史」を公表しよう
はらいかわてつやです。
人間は多かれ少なかれ誰しも見栄っ張りな部分がある。
多くの人が本当の自分よりも少しでも大きく見せようとするものだ。
しかし、見栄を張り自分を大きく見せようとしないほうが、「親しみやすさ」を感じさせることができる。
つまり、自分の情けない部分をさらけ出したほうが
「あの人って可愛いところがあるのね」と思ってもらえることが多いのだ。
有吉さんは以下のように話している。
「金ないの恥ずかしいな」とか、「給料0円だってみんなに言えねえよ」って思ってたんです。
プライドみたいなのがありまして。ですがそれをあっさり言って、「金、ないんすよ」って
平気で貯金通帳を見せられるような状況になったら、すごく楽になりました。
(「オレは絶対性格悪くない!」太田出版、23ページ)
無理に背伸びをしないようが、楽に生きることができるということだが、見栄を張らないことは人に好かれるテクニックでもあるのだ。
人間には自分よりもか弱いものを守ってあげたいという心理が働く。
赤ちゃんや可愛い子犬をいじめようとする人はいない。
むしろ、「守りたい」「かまってあげたい」といった”母性”を感じるのだ。
自分の情けない部分を隠さずに見せようとすると、嫌われないどころか、逆に愛されるようになるのである。
「自分の弱さを見せてしまうと、かっこ悪いと思われてしまう・・・」
などといった心配はしないでよいのだ。
自分の弱いところを見せるようにすれば、周りの人から愛されるようになる。
かっこ悪いなどと罵る人はいない。
アメリカのイオナ大学のパトリシア・オズワルト氏は、自分を偽って強がりばかりの女性より、情けない姿をさらけ出し涙を流している女性のほうが、男性の心をくすぐり助けてもらえるということを実験によって実証している。
オズワルト氏は、さらに、同じ人物の女性で自分の悩みを淡々と語る姿と、取り乱して語る姿を撮影した2種類のビデオを作り、その女性について評価をさせてみた。
すると、後者のビデオを見たときのほうが、女性を援助したいという気持ちになることが確認できた。
強がって自分を大きく見せるのもひとつの作戦ではあるが、虚勢を張り続けることはとても疲れる。
しかも、その虚勢がばれてしまったときのほうがとても情けないことになる。
「私はお金持ちだ」「いい車に乗っている」「いい大学を出ている」
と主張するよりも「お金なんてなくて・・・」「頭そんなによくないんですよ」
と主張したほうが好印象を与えることができることを忘れないでいただきたい。
「栄光の歴史」を語るよりも「黒歴史」を語るほうが愛されるのだ。
はらいかわてつや