周りの人に相手にされなくても大丈夫
一見「落ち目」であり,どん底にあるように見えても,そこからチャンスが生まれることは多い。
人間とは,失敗をバネにしてより魅力的な人間へと変わることができる動物であるからだ。
アメリカのベンチャー企業の社長においては,一度も失敗した経験がない人よりも,幾度となく失敗している人のほうが信用されやすいという話がある。
周りの人たちからは,「何回も失敗という経験をしているからこそ,そこから多くのことを学び取っているはずだ」と評価されるからだ。
日本人の多くは,失敗に対して「経歴に傷がついた」とか「汚点が残った」とか考えがちであるが,決してそのようなことはない。
失敗とは決して悪いことだけではないのだ。
ご存じのとおり,有吉さんは芸能界という仕事から完全に干されていた時期がある。
猿岩石でブレイクした期間よりも,ずっと長い間どん底の経験をしたのだ。
しかし,有吉さんは一度転落したことにより,「あだ名芸人」として,再ブレイクすることに成功できた。
有吉さんは仕事がなくて,テレビばかり見ていたことから,タレントのキャラクターを観察し的確に掴むことで絶妙なあだ名をつけることができたのだ。
これこそがまさに,「けがの功名」である。
たとえ失敗,転落したとしてもあまり気にしないほうがよい。
そこから,次に上がるための何か糧があるのだと信じよう。
シドニー大学のウェンデイ・ジョング氏いわく,人間とは成功からはあまり学び取ることはできないが,失敗からは多くのことを学び取ることができるという。
これは,ごくごく当たり前のことであり,成功したときというのは喜びこそすれ,省みてなぜ成功したのかなどと深く考えることはしない。
一方,失敗したときというのは,深く反省しなぜ失敗したのかを省みて原因をはっきりさせようとする。
だから,失敗したときのほうが,人間は多くのことを学ぶのだ。
″電力の鬼”として知られる松永安左工門さんは,「人間とは,脱税、大病、投獄、女性関係の4つのうち、いずれかの苦労を経験しなければホンモノになることはできない。」と話していたそうだ。
人間は,苦労を知らなければダメになってしまうということだ。
若いころの失敗などは,年を取ってから笑い話にすることができる。
「私はこんなひどい失敗をやらかしてしまったのです」と,″笑いのネタ″にすることができるだ。
若いうちは,どんどん失敗して経験を増やし、自分の持ちネタを増やすと思ってもいいだろう。
失敗を「人生の傷」や「人生の汚点」と考えるのではなく,「笑いのネタ」に変換するのである。