質問するときには期待する答えをしっかり考えよう

有吉さんは、言わずもながら「ホメ殺し」の名人である。
しかし、「そのネクタイ素敵ですね」とか「めちゃめちゃかわいいですね」などとありきたりなお世辞は決して言わない。
有吉さんの「ホメテク」は、褒めることではなく質問から始める。
答えが出てる質問をどんどんしていけば、だいたい想定内の答えが返ってくるので、
そこでいいリアクシヨンを取るっていうのが有効だと思うんです。
「漫才ブームのときって、営業どうだったんですか?」
「あの頃は一日5本ぐらい来てな」
「うわぁ~、五本~!!」
って、いかにも「凄いですね~」的なリアクションを取れば、相手も気分が良くなって、かなり気に入ってもらえます。
(「嫌われない毒舌のすすめ」KKベストセラーズ、159~160ページ)
相手がこう答えるという予想を立て、その答えに反応としてホメ言葉を返していくのだ。
このやり方では、社交辞令で褒めていることに気づかれない。
言わば、間接的なホメ方なのである。
「そのネクタイ素敵です」などと直接的にホメるのではなく、「先輩、そのネクタイどこで買ったんですか?」などと質問から入るのだ。
安物に見えないネクタイであれば、先輩はおそらくオシャレなお店の名前を返答してくるだろう。
答えを予想して質問しているのだが、そのとき「やぱりかっこいい人っていうのはおしゃれなお店をよく知っているなあ」などと返せば、とても自然なやり方で先輩を褒めることができる。
褒め上手な人が、人から好かれるのは明らかである。
アメリカのテキサスA&M大学のシャーレン・ミューレンハード氏は、褒め上手な人ほど異性から好かれ、たくさんデートをしていることを確認している。
褒め上手であることは、スムーズな人間関係を築くのに一役買ってくれるが、あまり見え透いた社交辞令のような褒め方では、相手を不快にするだけだ。
人を褒めるときには、直接褒めるのではなく、質問から入り、間接的に褒めることが大切だ。
相手が自慢したいと思っていそうなことを質問するのだ。