他人にどう見られるかは気にしない
アメリカのオレゴン大学のジョアン・クラーク氏は,以下のような実験を行った。
対人関係において高い不安を感じといるという男性に,2人の女性アシスタントと会話をしてもらったのだ。
会話を終えた後,男性たちに感想を聞くと,みな同じように「私の話はつまらなかった」とか「女性は私の話にうんざりしていた」とか「私の声はひどく震えていて何を言っているのかわからなかったはずだ」とか,自分の欠点ばかりを述べた。
ずらりと自分の欠点ばかりを並べていたのだ。
実際の会話がどうだったかというと,決してそんなことはなく,彼らはとても自意識過剰だったのである。
決して人間関係でおびえる必要はない。
声が少々震えたとしても,それは恥ずかしいことではないし,それが相手にとって「かわいい」と思えることだってある。
敬語を少し間違えたとしても,気持ちがこもっていれば敬語が使えないことで嫌われることなどない。
丁寧な対応を心がけさえすれば,敬語の使い方が間違えたとしても相手はそんなに気にすることはない。
大切なのは気の持ちようなのだ。
「なんとかなるさ」と開き直り,気楽になることである。
あまり相手に気に入られようとか,嫌われないようにしようなどと気にしすぎると,不安をあおってしまうので「嫌われたときはそのときだ」というように開き直ることが大切だと思う。
僕の中には、「自分にプライドを持たない」っていうのがあるんで。だから、こびへつらうことも平気だし、人に嫌われるのも平気なんで、毒舌吐いても平気。そういう意味では、何をやっても楽。
(「サラリーマン芸人。」双葉文庫、133ページ)
有吉さんが言うように開き直りの心をもてば,人間関係は決して怖くなどない。
その手の本には「女性に年齢を聞くなどもってのほか。」と書いてあるが,別に聞きたいときには聞いていいのだ。
「人の悪口を言ってはならない。」と書いてあっても,言いたいときには悪口を言ってもいいのだ。
実際,有吉さんは悪口どころか毒を吐きまくっている。
ありのままの自分をさらけ出すと,人に嫌われることも出てくるかもしれない。
しかし,そんなところが魅力だと,あなたに好意を持つ人だってたくさん出てくる。
「嫌われたってかまわない」というくらいの気持ちを持とう。
不安がってばかりでは,人間関係は楽しくない。
自分の欠点があったとしても,なんてことはない。
自分の欠点ばかりに目を向けるのではなく,人の欠点でも探してみて,それをイジってみせるくらいの余裕を身に着けてみよう。
自分の欠点によって卑屈になるのではなく,人の欠点を笑いに変えてあげよう。