人を動かすには理屈をごねるな
こんにちは、はらいかわてつやです。
誰かを思うように動かしたいときには、何らかのキーワードがなくてはなりません。
自分の理想や使命をぴったりと表わすキーワードを示すことができれば、人を説得することは簡単です。
ケネディ大統領のキーワードとは、「ニューフロンティア」でした。
アメリカの開拓時代は終わり、「フロンティア」すなわち新天地と呼ばれるような場所はもうなくなってしまっていました。
しかし、ケネディは国土や住む場所を広げるという「フロンティア」ではなく平和な世界や宇宙開発などの新しい「フロンティア」の可能性を国民に指し示したのです。一緒に「ニューフロンティア」を目指して突き進もうと、国民の気持ちを団結させようとしたのです。
大統領就任演説の際にも「ニューフロンティア」という言葉が使われたことは有名ですが。ケネディはもっとそれ以前の上院議員の時代にも以下のようにこの言葉を用いています。
ウッドロー・ウィルソンにはニュー・フリーダムがあった。フランクリン・ルーズベルトにはニュー・ディールが、 ハリー・トルーマンにはフェア・ディールがあった。アドレイ・スチーブンソンにはニュー・アメリカがあった。いまやわれわれは、ニュー・フロンティアに立っているのである。
「報道の自由」1960年8月1日から11月7日までの演説集)
人を動かしたいときには、自分の考えるビジョンを伝えることも大切ですが、人の心にグッと突き刺さるようなかっこいいキーワードをつくることもとても大切です。
明治維新の立役者である坂本龍馬は日本の進むべき未来を描いた「船中八策」を記していますし、後漢の軍師・諸葛孔明は「天下三分の計」という戦略を語り劉備玄徳の心を動かしたと云われています。
ここで注意しなければならないことは、キーワードはシンプルでなくてはいけないことです。だらだらと長すぎるキーワードは効果的ではありません。直接的で誰にもわかりやすいキーワードを考えましょう。
キーワードをつくる際には、「KISS法」というルールを守って作りましょう。
「KISS法」とは「Keep It Simple and Straight」の略です。これは、伝えたい内容は可能な限りシンプルに、そしてストレートに表現しましょう、という意味です。
もしも、自分でキーワードをつくるのが困難であれば、先人達が遺してくれたキーワードを拝借して、自分なりに利用してみてもいいです。
ケネディの「ニューフロンティア」というキーワードも、歴代の大統領たちが使用していた「ニューディール」や「ニューフリーダム」という言葉を真似したものなのです。
素晴らしいキーワードを表わすことができれば、人の記憶に残ることができます。
イギリスのランカスター大学のピーター・モリス氏は、自己紹介の際は単に名前を告げるだけでなく、自分に関するキーワードを盛り込むことで、人々の記憶に印象付けることができるということを実証しています。
たとえば、ただ「○○○です。」と自己紹介するのではなく「『30秒で仕事が取れる自己紹介のつくり方』を実践している、○○○です。」と言ったほうが、聞いた人の記憶に大きく印象を残すことができるのです。
はらいかわてつや